昨日は香港の民主活動家15名が一斉に逮捕されるという大事件が起きた。元議員の李柱銘さん、蘋果日報の創業者の黎智英さんを含むというから、注目すべき出来事だ。
世界が中国・武漢起源のコロナウイルスで大混乱し、香港でも集会やデモが出来なくなってしまった。そんな中で、民主派優勢とも言われる今年9月の立法会選挙に向けて、当局側が先手を打ってきた形だ。
昨日午後SNSで流れてきたニュースだったので、今朝の新聞がどう報道するかに注目していた。ウチは宅配で東京の地方紙『東京新聞』をとっているが、ベタ記事に毛が生えた程度の扱い。でもこれは東京新聞だから仕方がない、と思ってコンビニで日本を代表する新聞?『朝日新聞』を買ってきた。下が今朝の朝日の国際面です。
国際面の1/3は電子タバコの広告なのは仕方がないが、香港の事件は残り2/3の内の1/9以下の面積でしかも写真無しでした。写真付きで大きく報道されているのは、コロナの余波で人間の活動が少なくなった分、アシカやピューマが街に現れたという微笑ましいようなお話。
それはそれで面白いニュースなんですが、ここは国際面ですしヒマネタは明日の紙面に回していただいて、今日は香港でお願いできないでしょうか・・・。
最近心配しているのは、香港がニュースが隅に追いやられる中、いち早くコロナ禍から脱したと喧伝している中国共産党がマスク外交を展開していて、それを日本のマスコミがそのまま伝えていることだ。まるで放火魔が消火に協力して称賛を受けてるようにも見える、といったら言い過ぎだろうか・・・
中国にマスクや防護服を困っている国に渡すこと自体は良いことで、称賛される行為だ。
でも、それをプロパガンダの手段に使って大々的に広報宣伝するのはどうかと思う。
以前からTVでよくやる「中国は凄い!」というような報道は、眉唾だと思って疑って見ているが、こうした国家戦略に基づいた宣伝工作は、まず中国国内に誤った愛国精神を生むことに繋がるし、一帯一路に賛同している小国にとっても独裁国家に対する誤った親近感を生むだろう。どんな小国でも国際機関では同じ一票の権利を持つので、ますます中国の存在感は増す。
世界の構造は複雑で、そうした背景まで説明するのは、スペースや時間に制限があって無理、かもしれないが、物事はその背景を説明しないと、表面だけ取り上げては180度違った風に伝わるかもしれない。
中国共産党は宣伝工作のプロフェッショナルだ。中華人民共和国は劣勢の中から台頭した国で、軍事力以外の方法で勢力を伸ばす方法を常に研究している。日本などは過去の侵略戦争の贖罪意識もあって、最も工作活動がし易い国だろう。
アメリカでは中国に対してコロナ拡大の責任を問う声も上がっているというが、日本では中国共産党やWHOへの責任追及の声はあまり聞こえてこない。もちろん日本政府のコロナ対応は当初から問題だらけだが、そればかりに注目するのはダメだと思う。
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