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執筆者の写真柴田のりよし

デモ隊の破壊活動って限定的です

私、TVのニュース番組などで香港情勢を知る一般の日本人に向けて発信しているんですが、現地の様子が正しく伝わってないように思えます。


立法会の破壊も、街の破壊も見ましたが、デモ隊の攻撃目標は明確で、別に香港の街を壊している訳ではありません。


大きく取り扱われることで観光産業に打撃を与える、という意味では確かに経済の破壊ではありますが…。


一般的に今の香港の若者ってすごく洗練されていて、無差別に火を放ったり商店を焼いたりする人達ではありません。


TV番組でコメンテーターが、

「こういった暴力的な行為をすると、デモ隊側も市民の支持を失いかねないですね…云々」と言うのを聞いたんですが、ちょっと現地の感覚とは温度差があるように思います。



お菓子小売りの優品360°は福建ヤクザ(白シャツ隊)と繋がりがあると言われています。


中国建設銀行 「支那必亡」と書かれてしまいました


中国銀行ATM

今から破壊される中国聯通(China Unicom)。傘で覆っているのは、実行者の顔を撮られるのを防ぐため


中国移動(China Mobile)も壊されました

香港のスタバは親中派の美心集団の傘下なので恨まれました


同じく元気寿司も美心集団傘下なので壊されました。日本に対する恨みではないです


でも、直ぐ近くにある全面ガラス張りの銅鑼湾アップルShopは全くダメージなしです。

こんな感じで、破壊される企業はそれなりの背景があり、現地の香港人はみんな分かっているので、デモ隊に対する理解も一定程度はあると思います。



もう一つ、映像的なインパクトとして破壊活動の見栄えはすごいが、実際は大したことない、という例もあります。



これは、写真的には派手に見えますが、警察車両が簡単に吹き消す程度のものに過ぎません。でも、「香港はまさに燃えている!」みたいな文句と共に使われるでしょうね。


現場で見ていると、これはメディア向けの焚火の様にも思えてきます。


こうした主要道路は翌朝には掃除が済んで、普通にバスが走っています。


暴力の度合いで言うと、警察の比では無いくらい弱いです。警察は戦いのプロ、完全防備でプロテクターまで付けています。


さらに付け加えると、暴力にもいくつかあって、制度的な暴力というのもあります。


チベット高原で、中国共産党はチベットの遊牧民を合法的にコンクリートの集合アパートに移住させ、チベットの遊牧文化を根絶やしにしようとしています。学校では合法的に漢語教育が進めら、チベット人が生きにくい社会を合法的に作っています。


こういう動きは香港にもあって、香港人たちは抗議している訳ですが、本当の暴力っていうのは、議会の建築物の破壊とかじゃなくて、こういうのを言うんじゃないですかね。


立法会は綺麗にリニューアルされたようですし、あんな破壊は2-3ヶ月で元通りです。でも、制度として合法的に破壊される香港人の自由な生活は二度と取り戻せないでしょう。だから、反抗してる訳です。


※注 これらの写真・ビデオは10月1日の夜と、その後数日間に私が撮影したものです。香港情勢は、双方がエスカレートしてきているようなので、今後はもっと過激化するかもしれません。


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